導入事例
■ P-WORK総研 お客様に聞く - アプリイ
「元気!チャージ UPLY」 を合言葉に、大手の進出が進む静岡で負けず劣らずの急成長を続けるアプリイ様。人と組織の革新の経緯、その効果について語っていただきました。

静岡を拠点とするアプリイは、この4年で年商170億円から550億円へと急成長。だが、山本宜洙(やまもとよしじ) 代表取締役は、かつてのアプリイは「地方の”いい湯加減のぬるま湯”で、それなりの経営をしていた普通の会社」に過ぎなかったと語る。そのアプリイが、組織づくり、人づくりに目覚め、変貌していった経緯を聞いた。
マルハンの進出で、稼働率が半分に下がる
「今から4年ぐらい前、2002年頃の静岡のパチンコホール状況は、地元6〜7店の競合で、戦っているような、棲み分けているような、一種の『ぬるま湯』でした。ある日、地元の店舗の近くにマルハンが進出してきました」
「最初は、それほど危機感もなかった。マルハンのホスピタリティが凄いことは知っていました。多少は客も食われると予想もしていました。ですが、自分たちも、長年やってきた強みがあるのだから、食われても一、二割。まあ何とかなるさとタカをくくっていました。しかし、実際の影響は予想以上だった。稼働率が半分まで落ち込んだ時期もありました」
「稼働率が落ち込めば、還元率も下げざるを得ない。還元率が下がれば、ますますお客様が離れる…。負のスパイラルですね。マルハンはその逆で、ホスピタリティでお客がつけば、還元率が上げられるようになる。だからますますお客がつくという好循環。差は開くばかりでした」
「私はメーカーに勤めていた時期もあるので、出玉率の調整やデータ管理には、多少、自信があった。だが、そういう営業施策だけでは、もう競争には勝てないのだと思い知りました」
マルハンの表面だけ真似ても、上手くいかないだろう
- ■ だがマルハンの強みは、ホスピタリティだけではないと、山本社長は分析する。
- 「接客ホスピタリティは目に見えるから分かりやすい。では、アプリイが翌日から真似すれば上手くいくのかと言えば、それは違うだろうと。マルハンの強みは、もっと根本的な組織力や企業体質にあるはずで、接客サービスは、ひとつの要素に過ぎない。このマルハンに対抗するには、アプリイも、アプリイなりのやり方で、本質的な強さを獲得する必要がある。そう考えました」
- ■ その頃のアプリイの「組織力」はどうだったのだろうか。
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「"組織力"と呼べるものはほとんどありませんでした。何ていうかね、それぞれの店舗が縦割りで、悪い意味で独立性が高かった。同じなのはアプリイという屋号だけ。店長が代わると、ガラッとお店が変わる。そういう状態」
「ラーメン屋さんで例えてみると、店長がコロコロ変わって、ある店長さんは味噌ラーメン中心、次の店長さんは塩ラーメン中心。どんぶりの大きさも麺の太さも節操なく代わる。同じなのは、のれんや椅子、テーブルなど設備だけのような。当時のアプリイも、極端にいえば、そういう状態だった。これでは、組織とは、呼べない」
組織診断インタビューの意外な結果
- ■ そんなある日、元マルハンの熊澤が新たに研修会社を設立したという知らせが、山本社長の耳に入った。「熊澤さんといえば、マルハンのあの組織力を確立した実績を持つ人。興味はあったよね」と山本社長。こうしてP-WORK総研のコンサルティングが始まった。最初に行ったのは「組織診断インタビュー」。社員全員に、会社や社長への不満を、匿名で、すべて吐き出させた。このP-WORK総研の第一手への山本社長の感想は…
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「ははーん、これがコンサルタントの手か」と思いました。まずこうやって社長への不満を言語化させて、それをバーンと、「社長、今、御社の現状はこうですよ」と突きつけて、そうして社長の頭を白紙にしてから、いろいろ提案してくるんだろうなと
「ところが組織診断の結果を見ると、社長の私への否定的な意見は、思ったより少なくて、むしろ、中間管理職への不満とか、同僚社員への批判など、むしろ社員同士の軋轢の方が強かったんですね。これは意外でした」
理念作りに着手する
- ■ 社長への不満よりも、社員同士の軋轢の方が強い… これは、かえって面倒な状況だ。自分への不満なら、それをしっかと受け止めて、自己を変えればよい。だが、社員同士で不満を持ち合っている状況は、かえって厄介だ。
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「おっしゃるとおり、僕も困った。そこでP-WORK総研に相談すると、『まず理念、ビジョンを作ることから始めましょう』と提案された。最初は『はぁ、理念ねえ』と思ったけれど、でも、自分の意志でP-WORK総研にコンサルを頼んだ以上、言われたことには素直に取り組もうと思い直しました」
「P-WORK総研によれば、理念というのは、社長の僕が作ったのではダメで、社員が作らないと役に立たないのだという。そうして、社員どうし議論し合って、そして完成したのが、今のアプリイの理念『誇りと情熱』です」
理念が完成し、社内はどう変わったか。
- 『誇りと情熱』…できあがったその理念を見て、山本社長はどう思ったのだろうか。
- 「最初はね、少し気恥ずかかった。でも『誇りと情熱』、『誇りと情熱』と繰り返し口にするうちに、だんだん自分の中に落とし込まれてきて、本気になってきました。社員みなで、すごく良い理念を作ってくれたと思います」
- 「誇りと情熱」という理念ができて、アプリイはどう変わったのか
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「社内全てが変わりました。例えば、プロジェクトが起こる度に、「自分がやらなきゃ」と手を挙げる社員が出てきました。また、社内に共通言語、共通の方向ができてきた。ここから先、右に行くべきか左に行くべきか迷った時に、じゃあそれは『誇りと情熱』という理念に照らし合わせて考えればどうなんだという、社内共通の判断のモノサシ。それができてきた」
「もともと社員の中に、そういう想いや主体性は、潜在的にあったのだと思う。今回それがP-WORK総研の助けを借りて、外に表現されるようになったことは、本当にうれしい」
物事を習うときに重要なこと
- ■ これからコンサルタントを活用しようとするパチンコ・ホールに向けての『経験者としてのアドバイス』を求めてみた。
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「どのコンサルティング会社を選ぶにせよ、いったん決めたからには、まずはそのコンサルタントの指導を”受け入れる”こと。これが重要です」
「今わたしはレッスンプロにゴルフを習っています。色々な人と共に学ぶグループレッスンです。そうして様々な人を見ていて分かるのは、同じ指導を受けていても、上手くなる人とならない人の差は、両極端に開くということです」
「上手くなった人の例で言えば、一年前はクラブを振ることさえできなかった150センチぐらいの小柄な女性が、今では200ヤードをかっ飛ばしている。一方、そこそこの素養があるはずなのに、一年、指導を受けても、ほとんど進歩しない人もいる」
「これまで我流で工夫して、そこそこのスコアで回れて、ぼちぼちのハンディキャップを持っている人の場合、停滞することが多い。そういう人の特徴はレッスンプロに何か指摘される度に、『それは頭では分かっているのですが…』とか『いや、お言葉を返すようですが、僕には今のやり方が向いているので…』といちいち反論する。どうも「人の言うことを受け入れる勇気」がないらしい。そのせいで上達が止まる。一方、初心者の女性は、レッスンプロの教えを、神の言葉と思って忠実に従う。そして、どんどん上達する」
「研修もこれと同じです。コンサルタントに何か言われて、いろいろ言い返したくなる気持ちは、ぐっと抑えて、まずは言われたことを全部やる。全部きちんとできるようになって、そこで初めて、自分のテイストを少しずつ加える。そして最後は自分の思い通りのスタイルにする。守・破・離ということかな。最初は受け入れることが重要です。受け入れる前に、能書きを垂れると、結局、自分の上達を止めてしまいます」
もう神風は吹かない。本質的な取り組みが重要
- ■ さらに「受け入れる勇気を持つこと」と同じぐらい重要なのが「本質にじっくり取り組むこと」であるという。
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「時々友人が、『最近、営業の調子が良くないのだけど、何か良い方法はないか』と僕の所に相談しに来ることがあります。『とりあえず財務諸表持ってきてよ』と言うのですが、たいていは『いや、そこまでは…』と言って腰を引いてしまいます。
「結局は、ポパイのホウレンソウだか、バイアグラだか、そういう一錠飲めば元気モリモリになるような、魔法の薬が欲しいということのようです。その気持ちは分からないでもない。でも昔ならともかく、これからの時代はその心構えでは苦しいと思う」
「昔であれば、単純な話、何年に一回か画期的な遊技台が出てきてくれた。そういう神風が吹いて、苦境を救ってくれた。でも、パチンコを取り巻く環境がこれだけ厳しくなって、イベントの規制やら何やらで、これだけがんじがらめになってくると、もう、残念ながら神風も吹かないだろうなと」
「だから、今は、5年10年の財務戦略を練るとか、組織風土をコツコツ変えるとか、そういう「本質的なこと」にじっくり取り組むしかない。魔法の薬に頼らず、腹筋やったり腕立てやったり、翌日は筋肉痛で痛いけれど、とにかく続けて基礎体力をつける。そういうコツコツした努力しかないと、自戒の意味もこめて、改めて思います」
今回、P-WORK総研が提供したコンサルティングの内容
- 【 組織診断インタビュー 】
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コンサルティング開始にあたり、『組織の現状』を洗い出すために、さまざまな社員へのインタビューを多数実施します。これを通じて、その組織の強み、弱み、その原因となっている問題点などを洗い出してゆきます。
組織の課題は千差万別であり、それを正しく認識できなければ組織改革は失敗します。また、経営陣の自己認識と実態とにギャップがあるのも当然のことです。組織改革の成否を分けるのは、それに気付けるかどうか、そして気付いたあとでいかに行動できるか、によります。
この意味でも、インタビューに伺われる山本社長の「現実を受け止める素直さ」は、改革のために重要であるといえるでしょう。
- 【 360°サーベイ 】
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アプリイ様では、組織診断で組織の姿を浮き彫りにした後、自分自身の現状を浮き彫りにするための360°サーベイを、管理職クラスを中心に実施しました。
360°サーベイでは、本人の行動についてのアンケート調査を、職場内の上司・同僚・部下などが事前に記入し、簡単なレポートとしてまとめておきます。これにより、本人は「つもりの自分」 と「他人から見た自分」のギャップに気付くことができます。そして、後半部分は研修方式で実施し、他の受講者からの指摘、P-WORK総研講師によるコーチングなどを踏まえて、「周囲の期待に応えられる自分」になるためのアクションプランを立て、発表します。
この結果、アプリイ様の管理職クラスの間で、自分自身の成長に対するモチベーションが急激に上がりました。そして、その後の組織改革プロジェクトや、管理職育成(リーダーシップ・マネジメント・コーチング)などの研修への本気度が上がる効果があったものと思います。

<アプリイ様 研修説明資料> - 【 理念構築プロジェクト 】
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1店舗に社員全員が揃っているうちは、経営者の考えをダイレクトに伝えることもできるでしょう。しかし店舗数が増えるにつれ、経営者と現場の間、店舗と店舗の間で価値観のギャップが生まれ、ひいては同じ企業の中でもバラバラな個人がバラバラに動く状態に陥りかねません。そこで、成長途中の企業ほど、企業理念で組織を統一することが重要になります。
アプリイ様の場合、理念を構築し、組織に浸透させた後に、さらに人事制度改革に乗り出しました。従来の家族的な温かい風土にプラスして、「元気の良さ」をさらに引き出す制度を強化し、その結果たとえば、成果反映型の評価・報酬制度のもと、「自分の部下に高評価をとらせよう」と上司が後進指導に熱心になるなど、自社の強みを磨きながら、組織の統一感と相互協力を高めています。
また、自社よりも明らかに強大な競合とぶつかってしまった場合、企業理念を営業戦略に反映させることは有効な競争戦略ともなります。
アプリイ様の場合、企業理念をベースにしたサービスマニュアルの改善を行った結果、もともとの社風である『元気の良さ』を活かした接客サービスをさらに磨くことができました。また、女性客に人気の独自キャラクター『アピエルちゃん』や、アントニオ猪木が豪快に叫ぶTV-CMなど、広告戦略にも磨きがかかっています。
- 【 サービスマナー改善プロジェクト 】
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理念に基づいてサービスマナーを改善し、マニュアルを作成しました。写真の通り、わかりやすいビジュアルに丁寧な説明がされています。しかも、理念という共通の考え方を柱としているため、現場スタッフが「なぜそうするのか」を自分の頭で理解し、応用できるものになっています。
これにより、型にはめる丸暗記タイプのマニュアルとは違い、お客さまひとりひとりに心が届く、質の高いサービスを目指しています。

<アプリイ様 サービスマニュアル例>
P-WORK総研 担当コンサルタントの視点
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強大な競合店進出をきっかけに抜本的な組織の強化に取り組んできたアプリイ様。この組織改革の感想を社員の方に伺ってみたところ、以下のようなお答えをいただきました。「サービスマナープロジェクトの後で会社全体が変わってました。一言で言えば、元気が良くなってきましたね。」「理念ができ、人事制度が充実し、だんだんと会社らしくなってきた感じです。」やはり、現場で変化が実感され始めたのが、サービスマナー改善の取り組みのようです。ただ、それを実現させたのは、地道な土台作りのプロセスを踏んできたからこそではないかと思います。まとめると、アプリイ様の変化のプロセスは、
- 『現実の認識の共有』 ・・・組織診断、360°サーベイなど
- 『目指す理想の共有』 ・・・理念作りなど
- 『理想を現実化する行動』 ・・・サービスマナー改善など
といった形にまとめることができるでしょう。いわば、危機を飛躍のきっかけに転換されたわけです。このことは、多くの成長企業にも共通する、1つのセオリーのようにも思われます。このように、変化には的確に対応してゆく一方で、基本的なもの、本質的なものを重視する。家族主義的な温かい企業風土は失わない。それが、アプリイという企業の強みではないかと思います。
※ 取材(有)カスタムワイズ 村中明彦 2006年5月
※ アプリイのWebサイト


